こんにちは。
ライジングサン・システムコンサルティングの岩佐です。
あなたはIT経営という言葉を聞いたことがありますか?
IT経営とは、企業がITを戦略的に使いこなして生産性の向上を実現し、マーケットにおける競争力を向上させることを言います。
IT経営ポータル:http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/it-keiei/about/it_keiei.html
今の経営者にとって、ITとビジネスは不可分であり、ITの利活用なしに自社のビジネスの競争力を保っていくこと、そしてより向上させることは不可能であることは常識です。
しかし、ITの非専門家である経営者にとって、ビジネスとITをどの様に融合させ、自社のビジネスに適用させればよいのか、非常にわかりにくいこともまた確かです。
IT経営とは、そんな中堅・中小企業の経営者に対して、ビジネスにおけるIT利活用の具体的な行動指針について、経済産業省が中心となってまとめたガイドラインです。
この記事では、IT経営の4つのステージと、このIT経営を推進するにあたって、FileMakerプラットフォームの特徴である「小さくはじめて・大きく育てる」拡張性や柔軟性が非常に大きな利点になることを解説します。
IT経営を推進するには、何か外から買ってきたツールをポンと社内に入れれば実現できるものではありません。
また、最近のトレンドであるクラウドサービスを幾つか導入するだけで実現できるような単純なものでもありません。
IT経営を推進していくには、どうしても中長期的な、そして泥臭い取組みが必要になってきます。
しかし、この泥臭い取組を愚直に行っていくことで、マーケットにおける競争力を確固たるものにしていけるのです。
1.IT経営における4つのステージ
先にご紹介したIT経営ポータルの説明によると、IT経営の成熟度・達成度は、経営者が取り組むべき事項をまとめた「ITの戦略的導入のための行動指針」をベースに、4つのステージにわけられています。
– IT経営の4ステージ –
各ステージを簡単に説明すると、次のようになります。
第1ステージは、導入したITが個人レベルの利用にとどまっており、組織としての取組がなされていない状態です。
第2ステージは、とある部門内だけの部分最適にとどまっている状態です。例えば営業部門のみが使う顧客・見積・請求等を管理する初歩的な販売管理システムは導入されているが、これらが関連する業務…
例えば製造業であれば、生産管理や会計などと連携していない状態です。
もし、生産管理システムや会計システムが導入されていたとしても、システム間連携は、人間の手作業で行われている状態で、重複入力ロス等が発生している状態です。
第3ステージは、基幹業務を一気通貫するシステムが導入されている状態です。例えば、販売管理における受注・物流・売上管理、在庫管理業務における在庫・入出庫・棚卸管理、購買管理における発注・仕入管理などが一気通貫で構成されており、各システム間は自動連携しながら遅滞なく情報が流れる仕組みが構築されている状態です。
– 事業データが一気通貫で構築されている状態 –
第2ステージと第3ステージの差は、各システム間の情報連携に関する一貫性です。第2ステージでは、個々のシステムが分断されている状態。第3ステージではそれらがシームレスに連携されている状態と言えます。
第4ステージは、さらにサプライチェーン全体で第3ステージの状態が実現されている状態です。例えばある商品を消費者に届けるまでに、複数企業が連携してはじめてスムーズに届けられる場合、この企業間同士で在庫や生産進捗情報などが共有できている状態です。
1-1:多くの企業は部門最適止まり…
日本における多くの中堅・中小企業は、概ねステージ1とステージ2に分類されると思います。
経済産業書がIT経営ポータルで公開している「実践的IT経営改善事例の策定と CIO人材育成等に関する調査」によると、上場企業を中心に取り上げても、約70%の企業がステージ2までの部分最適段階にとどまっていると報告されています。
そして、ステージ3である組織全体の最適化レベル…つまり、自社の主活動を一気通貫でサポートするようなシステムの整備が完了している企業はたったの3割しかありません。
上場企業を中心に取り上げてもこのような数字なので、IT経営の成熟度が低い中堅・中小企業においては、そのほとんどがステージ1〜2の間といったところでしょう。
当然ですが、ITをうまく利活用して社内業務が無駄なくスピーディーに運営されている企業の競争力と、そうでない企業との間には著しい差が出てくることは、容易に想像できると思います。
1-2第2ステージから第3ステージへの壁
第2ステージから第3ステージへ移行するには大きな壁が2つあります。
ひとつは組織の壁で、もうひとつがテクノロジーの壁です。
組織の壁は、なんとなく想像がつくという方も多いのではないかと思います。
企業活動を一気通貫するシステムを導入しようとする場合、多くの場合は各部門の責任者や担当者が一同に介した委員会を組織し、どのようなシステムが最適なのかを議論し、その意見を情報システム部門が分析して、自社に必要なERPを選択するのが一般的に推奨されています。
この時に、「一気通貫システムが必要」という「総論」では合意形成可能なのですが、個々の細かい機能といった「各論」にまで掘り下げていくと、必ず組織間の利害が対立するような事象が発生します。
この対立により、プロジェクトが遅れてしまい、いつの間にか委員会そのものが立ち消えになってしまうということは非常によくあることです。
一方技術の壁としては、多くのケースとしてERPがどうしても自社業務に合わないという問題が発生します。
2:一気通貫を容易に実現できるERPとは?
ERPとはEnterprise Resources Planningの略で、企業活動における様々な情報の流通を、一つの巨大なシステムで一元的に管理するパッケージ・アプリケーションの集合体を言います。
ERPパッケージであれば、最初から購買、生産、物流・在庫管理、販売、会計など、企業活動を構成する様々な部門・業務の扱うデータを一元的に管理できるアプリケーションがセットとして提供されます。
各機能間の連携もスムーズに行われるので、「理屈」としては非常に優れたソリューションであり、自社の業務とERPの機能がマッチすれば、これほど良い選択はありません。
2-1:中堅・中小企業の業務とERPはマッチしづらい
しかし、特に中堅・中小企業の場合は、自社業務とERPが前提とする業務フローや業務ルールが合わず、導入できないケースが多々あります。
そもそもERPは大企業の成功体験をかき集めて、それらの成功体験を、どの会社でも使えるようにパッケージ化したものです。
大企業のミニチュアのような事業をしている中堅・中小企業なら、ERPをそのまま導入できるケースもあるかもしれません。
しかし、これだけ厳しい時代に生き残っている中堅・中小企業は、多くの場合、大企業とは異なるサービスや製品を提供しているからこそ生き残っているとも言えるのではないでしょうか。
つまり、大企業とは異なるアプローチでビジネスを行っているからこそ、マーケットで生き残っているのであり、これから先も大企業の真似事をしていたのでは、その事業の存在意義はなくなって行くのではないかと思うのです。
2-2:ERPを中堅・中小企業にお勧めできない最大の理由
私がERPを中堅・中小企業にお勧めできない最大の理由は、ERPの導入が業務フローや業務ルールを固定化してしまうことです。
ERP導入の成功要因は、一切カスタマイズ無しで、ERPパッケージが前提とする業務フロー・業務ルールに仕事のやり方を合わせることです。
コンピュータが人間に合わせるのではなく、人間がコンピュータに合わせることが、最小コストかつ、最短の時間で導入できる条件です。
しかし、先出の通り、ERPパッケージが前提としているのは、大企業における成功事例です。かつ、その成功事例は、既に何年も前のものです。
本当にこのような前提条件に基いて開発されたシステムを、中堅・中小企業が導入して、自社の競争力を向上させることが可能でしょうか?
2-3:ERPを導入すると変化を許容できない
本来、ソフトウェアというのは「ソフト」なので「柔軟であるべき」と私は考えます。しかし、ERPを導入してしまうと、この柔軟さが著しく損なわれてしまいます。
ビジネスの成功要因が固定化され、ある一定の投資をすれば、確実にリターンが得られた高度成長期、そしてその名残のあった10年ほど前なら、数年間の業務固定化はそれ程大きなリスクにはなりませんでした。
むしろ、大企業で実績のあるベストプラクティスを、ERPという形で模倣できることそのものが、ERP導入の大きなインセンティブになっていたはずです。
しかし、現在のような変化のスピードが著しく、ニーズの多様化によってあらゆる業務が複雑化した現在では、大企業のやり方を真似するだけでは、自社の目的や目標を達成することは難しくなりました。
実際、極めて先進的な経営支援システムを導入しているはずの大企業が、次々に経営危機に陥っています。
このように、大企業が経営危機に陥るには、様々な要因があると思いますが、そのひとつに「柔軟性の欠如」があることは想像に難しくありません。
ERPの良さは、時代の流れが緩やかで、「ベストプラクティス」を模倣すれば、高い確率で、大きなリターンを得られることです。
しかし、現在は時代の流れが非常に早く、ベストプラクティスの模倣だけでは、時代に取り残されてしまいます。
例えば、これまで規格の決まった標準製品の製造・販売を手がけていた製造業の企業があったとします。一般的には少品種・大量生産のビジネスです。
その企業が、市場のニーズの多様化に合わせるため、多品種少量生産型や、オーダーメイド製品の製造を中心としたビジネスにシフトしようとした場合、既存のシステムでは到底対応できないことが容易に想像できます。
恐らく、原材料の仕入も、生産計画も、品質管理も、物流管理も、その全てが多品種少量生産に移行することで、それまでに動いていたシステムが合わなくなることでしょう。
もし、少品種・大量生産のビジネスに最適化されたERPを導入していた場合、それを多品種・少量生産型に再度、最適化し直すことは非常に困難を伴います。
恐らく、このような大きなビジネスモデルの変更に際して、ERPを最適化し直すとなると、時には導入時のイニシャルコスト以上のカスタマイズコストが発生する可能性もあるでしょう。
このように、ERPパッケージは大企業のベストプラクティスを模倣していればよかった時代、時代の変化が緩やかだった時代には非常に有用な選択肢のひとつでした。
3:中堅・中小企業の強みはスピードと柔軟性
今後、ビジネス環境は現在よりさらにスピードアップし、そして複雑さを増していくという見通しに、違を唱えるビジネスパーソンはいないと思います。
その時、企業に求められることは柔軟性とスピードです。そしてそれは同時に、企業の神経細胞とも呼べる社内の情報システムに関しても全く同じことがいえます。
なぜなら、既に今現在においてもビジネスと情報システムは不可分だからです。
これまでのように、1〜2年をかけて調査や企画、そして社内への根回しをしてようやくプロジェクトが立ち上がり、さらに3〜5年をかけてシステムを刷新するようなスピード感では到底時代の変化に追いつけません。
もちろん、数百億・数千億規模の大企業であれば、ビジネスの外部環境以上に、社内環境の複雑化・硬直化が進んでいるので、このような動きはしょうがないのかもしれません。
しかし、大企業にはない身軽さや俊敏さがアドバンテージの中堅・中小企業まで同じようなことをやっていては、到底マーケットの中で生き残っていくことはできないでしょう。
その為にも、中堅・中小企業こそ、大企業と比較して身軽であること、俊敏であることを活かしたIT経営が必要だと私は思うのです。
3-1:FileMakerは中堅・中小企業の強みを活かすことができるプラットフォーム
FileMakerプラットフォームは、たとえ個人利用や部分最適から始まったとしても、それを全体最適、果ては企業間連携まで昇華させることが可能な潜在の能力を秘めています。
例えば、最初は物流部門の業務を合理化するための、部門内最適を目的としたカスタムAppを開発し、導入したとします。
その後、物流業務に関連する周辺システム…例えば受注管理であったり、顧客管理であったり、購買管理システムであったり、予実管理システムといった周辺システムを徐々に構築していくことができるのです。
最初は部分最適のシステムなので、投資に対するリターンも限られたものになります。しかし、スモールスタートで始められるので、最初のコストはERPの導入などと比べて極めて安価です。
3-2:FileMakerプラットフォームのコスト優位性
例えば最大利用人数が10名程度の小規模システムの場合、FileMakerプラットフォームであれば、ライセンスとそれを動かすサーバ環境だけであれば50万円程度でスタートすることができます。
費目 | 年間コスト | 月額換算 |
FileMakerServer + 5CAL | 93,000円 | 7,700円 |
FileMakerPro 5ライセンス | 63,000円 | 5,250円 |
FileMakerProAdvanced | 20,400円 | 1,700円 |
WindowsServer(パブリッククラウドサービスの利用) | 24,000円 | 20,000円 |
※上記の構成で、iPad/iPhoneから5台の同時アクセス、もしくはWebDirectによる5セッションの同時接続に合わせて、FileMakerProクライアントからの5台同時接続、合計10セッションの同時接続が可能です。
※FileMakerServerはパブリッククラウドサービス上のWindowsServer上にホストさせることで、サーバマシンの購入が必要なくなります。
実際には、この費用に合わせて社内開発者のトレーニングが学習にかかるコストが、もし開発をアウトソシングするのであれば、そのアウトソシングフィーが発生します。
社内開発の場合、最初のトレーニング費用は10万〜20万円程度を見ておけば十分でしょう。最初からあまり難しい教育をしても中身が追いつかないと思います。
一方、開発をアウトソーシングする場合でも、一般的な開発プラットフォームを前提とした開発と比較して安価になることが期待できます。もしFileMakerにおける最初のアウトソーシング開発であれば、どんなに高くても200〜300万程度にとどめておくことを、個人的にはお勧めいたします。
このコスト感は、他の開発プラットフォームや、最近話題の「超高速開発ツール」にも無い、極めて魅力的で安価なものです。
3-3:ERPは導入調査だけで数百万以上の費用が必要
一般的なERPの導入となると、全部門の全業務を調査し、ERPとのフィットギャップ分析を行い、ギャップのある部分については、仕事のやり方を変えるか、アドオン機能を開発するかの選択に迫られます。
この調査だけでも膨大な時間と費用がかかります。どんなに優れたチームを構成しても、調査には半年程度必要となるでしょう。
そして、その調査には必ず該当ERPの専門コンサルタントを招聘することになります。例えば半年の調査を行うだけでも、軽く数百万から、規模によると1,000万円を超えることも珍しくありません。
導入できるかどうかの調査をするだけでもこれだけのコストがかかります。
そして、その調査期間中は、当然ですがリターンはゼロですし、むしろマイナスが発生している状態です。
そして、様々な調査が完了し、社内の意見調整や業務ルールの調整、もしくはアドオンの開発など、下手をするとそれらに1〜2年以上の時間と膨大な費用を投じて導入したにもかかわらず、思った程の効果が上がらないということは多々あります。
導入したことで、効率化どころかかえって効率が下がってしまったという笑えない話も、実は枚挙に暇がありません。
ここでERPの導入を後悔しても、もう遅いのです。
3-4:無視できないERPのランニングコスト
恐らく一般的なERP導入であれば、ここまでで既に数千万のコストは使っているでしょう。カスタマイズの規模によっては億を超えるケースもあると思います。
それだけのコストをかけ、様々な社内調整をした挙句、「効果が薄いので辞めます」という意思決定をできる組織はそうそう無いと思います。
さらに無視できないのはランニングコストです。
ERPは「保守費用」という名目で、年間数百万から数千万のランニングコストが発生することが一般的です。この保守費用を、ERPを辞めるまで支払い続けなければなりません。
このような理由で、中堅・中小企業にとってERPは、あまり現実的ではないソリューションだと私は思うのです。
4:FileMakerはスモールスタートですぐ始められる
一方、FileMakerでの開発であれば、まずはある特定分野のソリューション、例えば物流管理業務をサポートするカスタムAppを開発し、すぐに現場で使いはじめることができます。
このすぐに現場で使い始められることというのは極めて重要です。なぜなら、システムは利活用することではじめてリターンを得ることができるからです。
4-1:IT経営にFileMakerプラットフォームを推奨する最大の理由
FileMakerプラットフォームであれば、まず部分的に最適化されたカスタムAppを、こまめにリリースして確実にリターンを得ながら、徐々に業務のカバー範囲を広げていき、最終的には自社の主活動業務を包括的にサポートするようなシステムに成長させることができます。
この間、もしビジネス環境の大きな変化が発生すれば、その環境変化に合わせて、柔軟に既存機能を変更することも可能ですし、開発の優先順位を変えることも可能です。
FileMakerプラットフォームは、この柔軟性と拡張性の両方を備えていることで、その時々に合わせた課題にフォーカスしてのマイクロソリューションを開発しながらも、それらを有機的に連携させることによって、ひとつの生態系…エコシステムを構築できます。
私がFileMakerプラットフォームをIT経営の基盤に推奨する最大の理由は、この柔軟性と拡張性を活かした段階的なIT経営成熟度の向上にあります。
4-2:最初は全て部分最適から始まる
弊社にお引き合いをいただくケースとしては、多くの場合IT経営のステージ1からステージ2に向かわれようとする企業様がほとんどです。
つまり、ITが組織的に活用されておらず、個々人の部分利用にとどまっている状態から、まずは特定の部門や業務にフォーカスして課題解決したいという企業様です。
きっかけは、顧客情報の共有だったり、物流管理業務の合理化であったり、生産管理業務の合理化であったりと、きっかけは様々ですが、まずはある特定部門にフォーカスが当てられます。
多くのSIerと呼ばれるシステムインテグレータや、パッケージソフトベンダーは、この部分最適を「非」として、全体最適を素早く実現できることを口実にERPやパッケージシステムを進めてきますが、私はこの部分最適を「非」とは思いません。
むしろ部分最適によるスモールスタートは、IT経営の成熟度を段階的に高めていく上での重要な「成功体験」のステップだと考えています。
4-3:IT経営の実現には段階的なステップアップが必要
弊社では、このある特定部門、ある特定業務にフォーカスしたカスタムAppを、概ね2〜3ヶ月、早い時は1ヶ月程度で完成させ、実際に現場で利用を開始することを推奨しています。
この最初にリリースしたカスタムAppをコアに、継続的に周辺業務にその適用範囲を広げていきます。この適用範囲の拡大も、概ね2〜3ヶ月に1度、早い場合は1ヶ月単位でリリースしていきます。
そうして、ある部門やある業務のシステム化が完了すると、次に部分最適の壁を超える第3ステージへのステップアップが始まります。
このステップアップのきっかけになるのが、部分最適による成功体験です。
そもそも、ある部門に限られた小さな課題も解決できないのに、全社的なシステム導入を成功させることができるわけがありません。
スポーツでも仕事でも、必ず人は目の前の小さな課題を確実にクリアすることで、次のより大きな課題に対するチャレンジが可能になります。
そういった経験も無しに、ベンダーの言われるがままにいきなり大規模なシステムを導入しても、悲惨な結果になるだけです。
4-4:柔軟性と拡張性に富むITプラットフォームの選択が成功の鍵
FileMakerプラットフォームであれば、この段階的な成功体験の積み重ねを、より自然な形で実現することができます。
実際、弊社のお客様も最初の課題は極めて限られた領域に対する取り組みだったにも関わらず、数年後には基幹業務を一気通貫するシステムを構築される例がほとんどです。
逆に、ある特定範囲だけで限定的にFileMakerを使っているのは、非常にもったいないことだと思います。
もちろん、FileMaker以外にも、このような性質を持った開発プラットフォームはいくつかあると思います。
しかし、私自身も様々な開発プラットフォームを経験し、そして最近の超高速開発ツールについて調査してきましたが、FileMakerほど魅力的なプラットフォームは今のところ他にありません。
最初はたった数十万円でスモールスタートでき、そして将来的には数百名レベルで利用可能な一気通貫システムが構築でき、さらには企業間連携まで実現できるような優れた開発プラットフォームは、なかなか他にはありません。
まとめ
この記事では、中堅・中小企業のIT経営を確実にステップアップしていくために、2つのことを解説しました。
ひとつは、特に変化のスピードが激しい現在のビジネス環境において、業務やビジネスを固定化してしまうERPの導入は、特に身軽さと俊敏さが強みの中堅・中小企業においては、その強みを弱めてしまう選択となってしまうこと。
そしてもうひとつは、中堅・中小企業の強みである身軽さと俊敏さを活かすためには、それにふさわしいシステムプラットフォームが必要であり、FileMakerプラットフォームは、その強みを活かすことができる、柔軟性と拡張性に富んだプラットフォームであることを解説してきました。
こちらの図にあるように、FileMakerはIT経営の全てのステージに対してスケーラブルに対応することが可能です。
最初は数名規模の利用で始まったカスタムAppが、数年後には全社を一気通貫するシステムに成長し、果てにはサプライチェーンレベルでの情報共有までも可能にするだけの拡張性を持っています。
もし、あなたのチームや組織が、これからIT経営をより強化していこうとしている場合、FileMakerプラットフォームの導入を、ぜひひとつの検討材料として加えてみてはいかがでしょうか。
もし、あなたのチームや組織が、既にFileMakerプラットフォームを活用されているのであれば、それをより大きな課題解決に利活用することを検討されてみてはいかがでしょうか。
確実なバージョンアップを重ねることで、大規模なシステム開発にも十分に耐えうる性能を兼ね備えるようになったFileMakerプラットフォームは、きっとあなたの期待に応えてくれると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
こちらの記事にご興味を持っていただいた方には、こちらの記事もおすすめです。