「システム化が遅れている企業が大きなチャンスを持っている?そんなバカな…」
「うちの会社も相当遅れているなぁ…メインで使っているのは10年以上前にAccessでつくった古いシステムだけど、そんなウチが持っているチャンスってなんだろ?」
「チャンスを持っているって言われても、それって大企業の話でしょ?うちの会社規模だと関係ないよ…」
このブログ記事のタイトルをお読みになられて、このように感じられたかもしれませんね。
こんにちは。
株式会社ライジングサン・システムコンサルティングの岩佐です。
私たちは、年商100億円未満の企業様を中心に、小予算でムダがなく、そして投資対効果の極めて高い情報システム投資を支援しています。
さて、このブログ記事のタイトルには「システム化が遅れている企業はチャンスがある!」と宣言しています。
私がこのように書くのは、弊社でサポートさせていただいているクライアント企業様に具体的な実績があるからです。
弊社でご支援する企業様は、ほとんどが年商100億円以下で、情報システム投資予算にあまり大きな金額を割り当てることができません。
なので、システム化は一向に進まないし、中には20年前に構築したシステムを、だましだまし使っているというケースもかなりあります。
そのような「システム化が遅れているお客様」でも、私達のご支援をきっかけに、小予算でムダがなく、そして投資対効果の極めて高い情報システム投資を実現されています。
それでは具体的に、「システム化が遅れている企業が持つチャンス」とは具体的に何なのでしょうか?
それをご説明するには、まず「大企業が持つ苦悩」を先にご説明死なければなりません…
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目次
既に巨大システムを持っている企業の苦悩
多くの大企業は、過去に開発してきた巨大で複雑なシステムの「お守り」に悩まされています。
この巨大で複雑なシステムの費用負担は大きく、概ねシステム予算全体の6割から7割の金額をこの巨大で複雑なシステムの運用・保守に費やしています。
日本企業の一般的なIT予算率は売上高の1〜1.5%程度とされているので、例えば年商300億円の企業だと約2億円の予算を、この巨大で複雑なシステムの運用・保守に費やしているということになります。
これは大変な金額ですね…
実際私も過去、いろんなシステム開発のプロジェクトに参加してきましたが、やはり既存のシステムが巨大で複雑なところに、新しいシステムを導入するプロジェクトは非常に困難を伴いました。
特に部門間をまたがったシステムが「密結合」と呼ばれる手法で構築されたシステムが入った環境だと、段階的な開発やリリースができず、開発する側の技術者はもちろんのこと、新しいシステムを使うお客様も大変な苦労をされます。
そして「困難を伴う」ということは、それだけ時間もコストもかかるリスクの高いプロジェクトになりがちだということです。
多くの大企業は、この過去の遺産のお守りに大変な金額を費やしており、新しい付加価値をもたらす戦略的なシステム投資に回せるお金が非常に限られているという苦悩を抱えています。
今日本では「イノベーション」という言葉が盛んに使われるようになりました。
イノベーションとは「革新的な」という意味。
しかしこの過去に構築してきた巨大で複雑なシステムが足かせとなり、なかなか革新的なビジネスに舵を切れないという現実があります。
IT化が遅れている中小企業がチャンスを持っている3つの理由
一方、年商100億円以下の企業だとこのレベルのシステムが入っていることはまずありません。
ほとんどは部門最適で、ある部署内でしか使われていないクローズドなシステムが点在しているのが特徴です。もし、この点在しているシステム同士が連携していたとしても、CSVデータの手渡しなど非常に原始的な方法で連携をしているケースがほとんどです。
また、パソコンを使って仕事をしていたとしても、Excelで見積書や請求書を管理しているというケースがほとんど。プロが開発したアプリケーションとしては、会計パッケージと人事給与パッケージが導入されている程度でしょう。未回収の売掛金や未収入金が、正確にさっと出てこないという笑えない会社も少なくありません。
自社業務に最適化されたシステムとなると、社内にいるちょっとAccessやExcelのマクロが書ける「詳しい人」が手弁当でつくった「ツール型IT」が業務を支えています。
このような企業は一般的に「IT化が遅れている」と認識されています。
年商で数十億ともなると、それなりに自社業務に最適化された専用システムが導入されていても良さそうなのですが、その手の洗練されたシステムが導入されているケースはほとんどありません。
しかし、この一般的に「IT化が遅れている」企業は逆に今チャンスを握っています。
それには3つの理由があります。
理由1:複雑なシステムを導入しなくても高いIT導入効果が見込める
理由2:先人の成功・失敗体験を活かすことができる
理由3:安価で高速に開発できる環境を導入することが可能
つまり、複雑で巨大なシステムが入っていないことで、逆に「最新の技術」を「安価に素早く」そして「ローリスク」に導入する土壌があるということです。
1.複雑なシステムを導入しなくても高いIT導入効果が見込める
もともと手作業や部分的に導入された「ツール型IT」を使って業務をしていたところに、自社業務に最適化された比較的簡単で軽量なシステムが導入されると、それだけで高い効果が見込めます。
私達が支援させていただいたケースでは、それまで数万円で購入可能な「ツール型IT」と、社内の少しプログラミングができる方が手弁当で開発された、これもやはり「ツール型IT」を複数組み合わせて物流センターの業務を行っていました。
しかしこの数万円で購入可能なツール型ITは、品質もサポートも悪く、また自社業務とのギャップも大きくて非常に使いづらいシステムでした。
こちらに、お客様と私達が共同開発した「お客様の業務に最適化したシステム」を導入したところ、システムを導入したその日から非常に高い導入効果を得ることができました。
それまで、使いづらいシステムが影響して、毎日の様に配送ミスが発生し、その配送ミスのリカバリ作業に大変な時間を費やしていたのですが、システム導入をしたその日を境に、この配送ミスがなんとゼロになりました。
そしてこのミスゼロの記録は、システム導入から2ヶ月を経過した現在でも引き続き更新され続けています。
このシステム開発期間はたったの2ヶ月です。
機能は至ってシンプルで、システムの内部構造も複雑ではありません。
当然、システム開発コストも極めて安価です。
また、既存システムもさほど複雑ではないので、新しいシステムを導入するのに苦労はありません。
これは、IT化があまり進んでいない企業だからこそ享受できるメリットです。
2.先人の成功・失敗体験を活かすことができる
例えば製造業の仕事を考えてみましょう。
一般的な製造業は、営業部門が顧客から注文を取り、それを物流センターに出荷指示書の形で出荷依頼をかけます。
物流センターは、その出荷指示書に応じて商品をピッキング・梱包して顧客に発送します。
また、売上の推移や在庫の増減に合わせて、生産管理部門が生産計画を立てて、製造部門で商品を製造します。
そして購買部門では、生産管理部門も立てた生産計画がスムーズに実行できるように、商品を製造するための部品や原料を仕入れます。
もちろん、製造業と一口に言っても計画生産が可能な商品もあれば、保存期間の短い日配品もあるので全てがこのパターンにあてはまるわけではありませんが、
- 営業部門が注文を取る
- 生産管理部門が生産計画を立てる
- 製造部門が生産計画にそって製品をつくる
- 物流部門が顧客に商品を配送する
- 購買部門が商品製造に必要な部材・原料を仕入れる
…という役割分担と業務の流れは、多くの製造業で共通しているものです。
そしてこのような「基幹業務」がシステム化されていない中小企業は、まだ数多くあります。
未だに各部門間との情報の受け渡しをFAXを使っているというケースもあるかもしれません。
例えば生産管理部門で作成した生産計画や製造命令をFAXで製造現場に伝達するというケースは、年商数十億円規模の企業でもまだ相当残っているものと思います。
しかし、この基幹業務を包括的にサポートするシステムは、過去にもたくさん作られてきました。
結果、設計技法は最適化されており、どの様にシステムをつくれば、無駄なくシンプルな構造で、かつ導入効果の高いシステムが出来上がるのかというノウハウがかなり洗練されています。
関連する書籍も多数出版されており、比較的「あるべき姿」が簡単に入手できる分野です。
つまり、この分野のシステムは失敗リスクがかなり小さいということです。
もちろん、自社業務に合わせて様々な調整や独自機能の構築が必要となることは多々あるでしょう。
しかし、「王道」もしくは「定石」とされる設計技法や実装方法は既に確立されている分野です。
この「王道」そして「定石」ができあがったのは、IT化で先を行く企業が様々な成功と失敗を繰り返して生まれたものです。
IT化が進んでいないということは、この先人の成功と失敗から得られた貴重なノウハウを活かせるポジションにいるということです。
3.安価で高速に開発できる環境を導入することが可能
この10年で、システム開発にかかる費用はかなり小さくなりました。
このシステム開発コストがより安価になってきた要因はいくつかあります。
そして、そのひとつが小さくはじめて大きく育てるというアプローチが取りやすくなったことにあります。
この小さくはじめて大きく育てるという考え方はスモールスタートとも呼ばれ、IT投資の失敗リスクを最小化するために非常に有効な方法として知られています。
そして、このスモールスタートを可能にしたのが「クラウドコンピューティング」「アジャイルソフトウェア開発手法」そして「超高速開発プラットフォーム」の3つです。
最近では「クラウドコンピューティング」がかなり一般的になりました。以前はクラウドで基幹システムを動かすことに非常に抵抗がありましたが、やはり経済的合理性とそのスピード感は、伝統的なIT基盤と比較しても圧倒的な魅力があります。
そして、「アジャイルソフトウェア開発手法」も同じく小さくはじめて大きく育てるアプローチを具現化する画期的な開発手法です。
さらにFileMakerプラットフォームに代表される「超高速開発プラットフォーム」の登場により、高品質で必要十分な機能を兼ね備えた自社業務に最適化されたシステムを非常に素早く、そして安価に構築できるようになりました。
以前であれば、数百万・数千万のサーバマシンを導入する必要がありました。
また、ちょっと大きめのシステムであれば、完成は2〜3年後とかなり長い時間をかけての開発が必要でした。
当然開発コストは、数千万から数億円の開発費用が必要でした。
これが最新のシステム利用環境、最新のシステム開発手法、そして超高速開発プラットフォームを組み合わせることで、開発コストもそれに要する時間もかなり小さくすることが可能になりました。
これは、既に複雑で巨大なシステムが導入されている企業だと、なかなか享受できないメリットです。既存システムがあれば、そのシステムをすぐに更改することはできません。
また、既に付き合いのあるシステム開発企業は、このような新しいシステム開発手法や、超高速開発ツールの利用に積極的ではありません。なぜなら、システム開発プロジェクトが短期間になればなるほど、彼らの売上が下がってしまうからです。
アジャイルソフトウェア開発手法も、超高速開発プラットフォームも、それを使うとういうことは、極論すれば彼らの売上が下がってしまうことを意味します。当然、彼らは「伝統的なソフトウェア開発手法」を好みますし、そちらを推薦するでしょう。
このような背景から、既に巨大で複雑なシステムを持っている大企業は、このメリットを享受することがなかなかできません。
一方、まだキャンバスに何も画かれていない、IT化の遅れた企業は、このメリットを十分に享受することが可能です。
このような3つの理由から、IT化が遅れている企業は、実は同時に大きなチャンスも握っているということになります。
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